本サイトはアフィリエイト広告を利用しています。

絞り浴衣は家で洗濯できるの?洗い方を失敗した総絞りは救済できる?

夏になるとお祭り、盆踊り、花火大会など
浴衣を着る機会が多くなります。

ここ数年は手に入れやすいお値段の浴衣が増えたことから、
浴衣姿の人が多くなりましたね。

一般的な綿や麻の浴衣、ギャル風の柄の浴衣、
着やすいつくりになっている浴衣などデザインもさまざま。

そんな中で最近は貴重になった絞り浴衣は
やはりその美しさが目を引きます。

国の伝統工芸品にも指定されている
有松絞りや鳴海絞りなどは、
総絞りの浴衣になるとお値段が高いため、

新しく誂える方よりも

  • おばあさまから譲られた
  • アンティークショップで手に入れた
  • オークションで格安で買った
  • 着物のアウトレットショップ・リサイクルショップで買った

という方が多く、
着物ビギナーの方が手にされていることが多くなっています。

そのため「お手入れのしかたがわからない」ことも。

浴衣は他の着物と違って
たくさん汗をかく状況で着ますので

何年も着られるように
きちんとお手入れをしていきましょう。

絞り浴衣はどうやってお手入れをするの?洗わなくていい?

まず、浴衣に限らず、着物一般に関する誤解として

 知人から「着物は洗ってはダメ!」と聞いた

というものがありますが、
いえいえ、それは大間違い。

着物も浴衣も、基本的に「洗います」

ただし着物は
洋服と違うお手入れの仕方が必要なので
専門業者にお願いしましょう。

専門業者って何?と思われるかもしれませんね。

着物の洗濯や修繕をする専門店のことを
「悉皆屋(しっかいや)」
といいます。

悉皆屋さんは

しみ抜き、洗い張り、
湯通し・湯のし、仕立て、
特殊加工、紋入れなど、

着物のさまざまなメンテナンスができますが、
その一部を取って
「洗い張り屋」と言われることもあります。

どこかで「洗い張り」の文字を
見たことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

着物のメンテナンスは悉皆屋さんに相談するのが一番です。

よくある着物のトラブルとして

・シミがついていないからと、そのまま収納したら黄色くなった

・食事の際にシミをつけてしまったので、
その場でこすったらスレてしまった
あるいは、帰宅後に洗剤でこすったら大変なことになった

・新しく買ったばかりの着物(または洗ったばかりの着物)を
着ないからといって
タンスに入れたままにしていたらカビが生えてしまった

などがありますが、
こういうトラブルへの対処をしてくれるのが悉皆屋さん。

悉皆屋さんに伺ったところによると

「目に見えてシミがついていなくても
着物を着れば汗ジミが必ずつきます。
汗をかかなかったと思っていても、着た後には洗いましょう。」

とのこと。
浴衣などは汗まみれと思ったほうがよさそうですね^^;

絞り浴衣は普通の綿や麻の浴衣と違って
染めのときにできる表面の凸凹(シボとも言います)が
いい風合いになっているのが大きな特徴です。

ただ、この凸凹は「濡れると消えやすい」ことがありますから
普通の浴衣よりもちょっと慎重になるほうがいいでしょう。
(加工の強さなどによって、消えやすさの程度には差があります)

悉皆屋さんや洗い張り店がお近くにない場合は
呉服店にお聞きになると情報が得られることがあります。

着物を販売する以上、
仕立てやお手入れの業者を知らないわけがありません。

まずは和装のメンテナンスのプロである
「悉皆屋さん」を探しましょう。

もしそれでもお住まいの近くにない場合はクリーニング店へ。

ただし、ゆかたのクリーニングはよくトラブルがあります。
少々値は張りますが、
和装専門の技術を持ったクリーニング店か、
大手のクリーニング業者に頼むのがベターです。

自宅で洗ってみたい!自分で洗う方法は?

それほど高価な浴衣でない場合、

「専門店に出すほどでもないなぁ」
「和装のクリーニング代のほうが買った値段より高い」
「次のシーズンに着られなくても構わないから自宅で洗いたい」

と思うこともあるかもしれません。

そこでトラブルの起きにくい洗い方をご紹介します。

ただし、
その浴衣についている取扱表示を必ずご覧になって、
自己責任で洗ってくださいね。

自宅で浴衣を洗う方法

[tip]

1.浴衣を本だたみして洗濯ネットへ入れる

参考「浴衣のたたみ方」

(動画の後半は、浴衣を着たときの歩き方や
所作の説明があって参考になりますよ^^)

2.「軽い汚れコース」でおしゃれ着洗い用の洗剤を使用

洗濯機の「軽い汚れコース」で洗います。

色落ちする場合があるので
他のものと一緒に洗わないようにしましょう。

洗剤は漂白成分の入っていないものを使います。
柔軟剤は不要です。

3.しっかりすすぎ、ごく弱く脱水(3分程度)

4.着物用ハンガーにかけて陰干しする

各部分の縫い目のヨリを引っ張って伸ばしてから、
テーブルなどの上できちんとたたんで、さらにシワを伸ばします。
着物ハンガーにかけて、形を整えます。

袖から袖までを肩の線がまっすぐになるようにするのがコツ。
ていねいにやさしくパンパンとたたきながらしわを伸ばします。
この状態で陰干ししましょう。

※直射日光に当たると焼けて色褪せすることもあるので、
陰干しがおすすめです。
湿気が残らないようにしっかり乾かしましょう。

[/tip]

絞りの浴衣の凸凹が薄くなっちゃった、もう駄目?

結論から言うと、もとに戻ることもあります。
戻らなければ、それを逆手に取って活かすのもいいかもしれません。

絞り浴衣は何十年と毎年のように何度も着ていると
物理的に力が加わることによって、
お尻のあたりなどが伸びてきてしまうことがあります。

また、洗い方を失敗して、
部分的に伸びたり縮んだりしてしまうこともあります。

そんなふうに、絞りの風合いがなくなってしまった場合は、
一度ほどいて完全に伸ばしてしまってみる方法も。

絞り染めはもともと風合いがメインではなく、
染めの過程のオマケのようなもの。

例えば有名な「辻が花染」は
絞りを使って抜染しますが、染色の後は完全に伸ばします。

ですので、
絞りの浴衣を完全に伸ばして仕立直しみると
別の形で復活できるかもしれません。

浴衣の記事、他にもたくさん!どうぞご覧ください☆

まとめ

絞り浴衣の洗濯のしかた、イメージできましたでしょうか。

何かとデリケートな絞り浴衣ですが
気を遣うからと敬遠するのはもったいない!

浴衣を着る暑い季節は、
綿しじらや楊柳など凸凹(シボ)のある織りのものが
肌にベタッとひっつかない分、とても涼しく感じます。
洋生地のサッカー生地と同じ理由ですね。

中でも一番着心地が良い浴衣は
有松などの総絞りの浴衣と言われています。

せっかくご縁があってお手元に来た浴衣、思いきり着てあげてください。
これをきっかけに、
とっても楽しい着物の世界を知ることになるかもしれません^^