結婚式の披露宴での楽しみはお食事。
ことに最近のアットホームタイプの披露宴(レストラン披露宴など)の場合、演出を控えめにする分、お料理に予算を割くカップルが増えています。
それに伴って、招待状にも変化が。
お召し上がりいただけない食べ物がございましたら返信はがきにご記入ください
アレルギーなどでお召し上がりになれない食材があればお知らせください
などと書かれているものが増えてきました。
この返信はがきを出すとき、
- アレルギーって何?
- 苦手で食べられない食べ物も書いていいの?
- 好き嫌いも書いていいの?
と、判断に迷うゲストの方もいらっしゃるようです。
この記事では、そのような迷いを解決いたします。
結婚式の招待状に書かれている「苦手な食べ物」って?
お召し上がりいただけない食べ物がございましたら返信はがきにご記入ください
とある場合の
「お召し上がりいただけないもの」とは、アレルギーで食べることができないものを指します。
式を挙げる側としては、できる限り招待客全員に心地よく過ごしてもらいたいと考えているはず。
でも、式場のタイプによって、対応できる事柄には幅があります。
生命に関わる「食べられないもの」に対応するのが精一杯という式場もあれば、単なる「好き嫌い」にも差し替えなどで対応してくれるレストランなど、さまざまです。
新郎新婦の意向とは別のところで、対応できるかどうかが変わってしまうのです。
ゲストが両家の家族だけであるなど、よほど小規模の披露宴でない限り、全員の好き嫌い対応するのは難しいでしょう。
ですので、好き嫌いの範囲であれば、
「書けっていうから書いたのに、出たじゃない!」
なんてことは思わないであげてくださいね。
ただし、あなたがもし次に挙げるような(アナフィラキシーショックを起こすレベルの)生命に関わるアレルギーをお持ちの場合は、しっかりと新郎新婦に伝えておいてください。
- ほんの少しそば粉が使われていた
- えびの殻からスープをとった
など、見た目で判断できない形でお料理にアレルゲンが含まれることがありますので、「申し出は控えて、料理の見た目で判断・対処しよう」とは思わないことです。
アナフィラキシーショックとアレルゲンに多い食べ物
アナフィラキシーショックとは
アナフィラキシーショックとは、急性の、全身性かつ重度なアレルギー反応のひとつです。
「アナフィラキシー」とは、アレルギーの原因物質が体内に入ることによって、一つの臓器にとどまらず複数の臓器に強い症状が現れる過剰反応のことです。(中略)「アナフィラキシーショック」が起こると、命にかかわる危険な状態に陥ることもあります。
引用元:https://child-clinic.or.jp/allergy_Anaphylaxis
アナフィラキシーで起こり得る症状
- 多尿
- 呼吸困難・喘鳴
- 低血圧
- 脳炎
- 失神
- 意識不明
- じんましん
- 紅潮
- 血管性の浮腫
(唇、顔、首、のどの腫脹) - 流涙
(血管性浮腫や生理的ストレスによる涙) - 嘔吐
- かゆみ
- 下痢
- 腹痛
- 不安
アレルゲンに多い食物
市販の加工品などに
「この製品は○○を含む工場で製造しました」
という表示があるのを見たことがありませんか?
この表示が必要な食物は「特定原材料」とされており、アレルギーを持つ人が多いため、表示が義務付けられています。
- 卵
- 乳、小麦、
- えび、かに、そば、落花生
- あわび
- いか
- いくら
- オレンジ
- カシューナッツ
- キウイフルーツ
- 牛肉
- くるみ
- ごま
- さけ
- さば
- 大豆
- 鶏肉
- バナナ
- 豚肉
- まつたけ
- もも
- やまいも
- りんご
- ゼラチン
他にもアレルゲンとなる食材があるかと思いますが、ご参考までに。
(アレルギーではないが)苦手な食べ物がある場合はどう書くべきか
アナフィラキシーショックを起こすようなアレルギーは持っていない。でもどうしても食べられないものや、味が苦手できらいなものがある。
そんな方もいらっしゃいますよね。
好ききらいの範囲の場合、特にそのことには触れず、
- 「特にありません
お心遣いありがとうございます」 - 「細やかなお心遣いに感謝いたします
おかげさまで何でも頂くことができます」
と書いて送りましょう。
当日、もしあなたの苦手な食べ物が出てしまったら
- 目で見て判断し、食べずにおくこと
- 一口食べて気づいたら、あとは残してスルーすること
をおすすめします。
食べられないものが一品でもあると残念ですが、そこはお祝いの一部として、大人の対応を。
お腹が満たされなかったら、帰りにコンビニスウィーツでも買って帰りましょ!
アレルゲンについて述べられなかった場合/事前に確認されなかった場合の伝え方
こんどは逆のパターンについて考えてみましょう。
もしあなたが、強いアレルギーを起こす食べ物がわかっているとします。
でも、招待状では尋ねられなかった。
そうした場合は、必ずご自身で伝えてください。
ワガママにも聞こえるため、ちょっと言いにくいかもしれませんが、そこは事務的に。
先に書いたように、披露宴のお料理がその材料の形をして出てくるとは限りません。
ご自身のアレルギーを把握していたとしても、わからない形で出てきたお料理を食べてショック状態になってしまったら、即、救急搬送です。お祝いどころではありませんよね。
ですから、例えば
ご招待いただきありがとうございます
せっかくのお祝いごとでのお食事ですが〇〇アレルギーがございますのでご配慮いただければ幸いに存じます
たいへん恐縮ですが よろしくお願いいたします
というふうに、「そういう身体特徴がある」と事前に伝えておくことが、お互いにとってハッピーな時間を過ごすカギになるのではないでしょうか。
おひらきの後、または後日に、お料理に心配りをしていただいた感謝の気持ちを伝えられると、なお感じがよいですね。