虚礼廃止が進んだとはいえ、
まだ完全になくなってはいない夏のご挨拶、お中元。
親しい人どうしでもお返しするかどうか、
どんな形でお礼をするかなど迷いますよね。
夫の取引先から自宅にお中元が送られてきた!なんて場合には
どう対応すればよいのでしょうか。
お中元にお礼状は必要?
まず、基本的にお礼状は出すものと考えてください。
ひとつは、たしかに受け取りましたと知らせるため、
もうひとつは「喜んでいる」と伝えるため。
送った方は
「無事に届いたかな?」
「気に入ってくれたかな?」
と気にしているものです。
ですから、もらいっぱなしにせずに、
できるだけ早く
・無事に届いたこと
・喜んでいること
を何らかの形で伝える必要があります。
親しい仲であれば電話やメールで
すぐに連絡をして伝えることもできますが、
夫の取引先となると
あまりカジュアルな形では伝えられません。
ビジネス文書にのっとって正式なお礼状を出すようにしましょう。
夫の取引先へのお礼状はどんな形で?封書?はがき?縦書き?
はがきで出せたら気がラクですが、封書が無難です。
お中元の季節は
本来7月初めから15日ごろまでとなっていますが
最近は6月ごろから贈り始めることが多いようです。
ちょうど梅雨が明けるか明けないかというころ、
暑中見舞いを送る時期(小暑~土用)にあたることもあり、
「かもめーるなどを利用してはがきで簡単に済ませたい・・・!」
というのが妻のホンネ。
親戚やお友達ならそれでも構いませんが
夫の取引先であれば封書にしておきましょう。
はがきはお礼状の中では「略式」ととらえられます。
正式には
[tip]・封書
・縦書き
・頭語、時候の挨拶、本文、末文など定型的な手紙の書き方
・パソコンで作成せずに手書きで(字に自信がないのは皆同じですよ~)
・便箋は無地か、控えめな色で涼やかな色使いのイラストがベター[/tip]
という形でお礼の気持ちを伝えると考えてください。
旦那さまが
「いいよ、電話でお礼を伝えておくから」
と言うご家庭も多いと思います。
ですが、
もしその電話が遅くなったら・・・?
あるいは忘れてしまったら・・・?
という心配もありますし、
「あそこの奥さんは礼状ひとつ書かない」
と言われて
社会的な評価を下げてしまうのは当の旦那さまです。
(妻は気にしなくても・・・ するけど・・・)
妻がお礼状を書いて、気を悪くする旦那さまはいないはず。
「夫はああ言うけどどうしよう」と悩んでいるうちに
サクッと書いてしまいましょう。
遅くなればなるほど
お礼状を出すタイミングを逃してしまいますよ^^
妻が代筆するお礼状の文例とバリエーション
相手の方が取引の上でどんな立場かが
はっきりわからなくても
夫よりも目上、あるいは立場が上
という前提で書いておけば
間違いがありません。
ひとつの例として文面をご紹介しますね。
[note]
拝啓 (1:時候の挨拶)、ますますご健勝のこととお慶び申し上げます。
先日は(2:いただいた品を表現)誠にありがとうございます。
日ごろ、私共のほうこそお世話になっておりますのに、過分なお心遣いをいただき恐縮しております。
贈っていただきましたマンゴーをさっそく賞味させていただきましたが、ひんやりとしてさわやかな味わいが、この暑さもひととき忘れさせてくれるようでした。
主人は果物に目がないので、とても喜んでおりました。
御厚志に改めて御礼申し上げます。
未熟な私どもでございますが、今後ともよろしくご指導くださるようお願い申し上げます。
今年も例年どおりの猛暑とか、くれぐれもご自愛くださいますようお祈り申し上げます。
敬具
日付(平成◯◯年◯月◯日の形式で)
宛名 様
差出人名(旦那さまのお名前)
内 美智子(3)
[/note]
時候の挨拶のバリエーション
上の例文の(1)には時期に合わせた時候の挨拶を選んで入れてください。
6月 梅雨の折から、初夏の侯
7月 盛夏の侯、猛暑の候、大暑の候、炎暑の候、夏祭の候、暑さ厳しき折
品物についての表現方法
(2)ではいただいたお品を言葉で表現します。
・このたびは大変結構なお品をお送りいただき、
・家族(もしくは私)の好物ですが、高価なお品を頂戴し、
・お心づくしのお品をお送りいただき、
・ご丁寧なお品を
・ご当地の名産品を
+
誠にありがとうございます
とても贅沢な○○○を家族で美味しく頂きました
・重宝に使わせていただきます(注:実用品の場合)
・いつも素敵な品物を選んで下さると家族も大変喜んでおりました
妻が代筆した場合の署名
上の文例の(3)にあるとおり、
差出人名(ご主人のフルネーム)の隣に「内」と書きます。
今回は妻の言葉で書いたので「内」とし、名前の上に添えましたが、
夫の言葉で代わりにお礼状を書いた場合は、夫の名前の左横に「代」と書きます。
【お礼状の全体の構成は】
[tip]・頭語:拝啓
・時候の挨拶(季節を表わす言葉)
・相手の健康状態や仕事の様子などにふれる
・お中元を贈っていただいたお礼
・先方の健康を気づかうことばなど
・結びの言葉
・結語:敬具
・日付、宛名、差出人名[/tip]
となります。
この構成にならって文章を組み立てれば大丈夫。
なお、宛名(お中元の送り主)と差出人名(あなたのご主人)は
間違いのないようにフルネームで書いてください。
まとめ
書き終えたら、投函する前に
一度ご主人に目を通していただきましょう。
肩書などに間違いがあってはいけませんし、
どんなお礼状を送ったのか、
ご主人がご存じないと困る場面があるかもしれません。
一度「型」を覚えたら、
お歳暮やその他の贈物へのお礼状も書けるようになります。
あまり考えすぎず、パーツを組み合わせる感覚で書いてみてくださいね。