地蔵盆(じぞうぼん)ってご存じですか?
私は関西で生まれ育ったので当たり前のように思っていましたが、他の地方ではあまりなじみのない行事と知って驚きました。
地蔵盆は、関西から東に向かって中部地方あたりまでの慣習なんですって。
ひと言でいうと、日本のハロウィンみたいな感じなんですよ。
地蔵盆の由来
地蔵盆(じぞうぼん)は、8月15日~16日の「送り盆」が終わった後に行われる行事です。
8月24日前後に多く行われます。
23・24日の2日間、連続で実施するところもあれば、23日に近い土日に開催するところもあるようです。
ふだん子どもたちを見守ってくれているお地蔵様に、1年間、子どもたちが元気に過ごせたことのお礼のお参りをします。
お地蔵様の前に子どもたちが集まって遊んだり、食べたり飲んだり。
名前こそ「盆」ですが、子どものお祭りみたいな感じですね。
幕は紅白、提灯(ちょうちん)も紅白を主としたカラフルな模様が用いられます。
昔は小さいうちに亡くなる子どもが多い中、元気に過ごせたことをお祝いする、子どもを町で大切に慈しんだ名残です。
地蔵盆のお供え(現金)の包みは半紙 or 金封?のしや水引、表書きは?
地域や各家庭からのお供えは、後で子どもたちに振る舞います。
お供えのお下がりが子どもたちのおやつになるわけです。
お金の包み
- お賽銭は半紙の包みで十分
- 硬貨も半紙で
▼こちらが大変参考になります。
- お札は祝儀袋(金封)に入れて
祝儀袋に入れるなら、熨斗(のし)の付いた赤白の水引で、蝶結びが一般的です。
地域によっては黄白の仏事用の金封を使うところもあります。
のしの表書き
- 「お供え」「御供」
- 「御尊前」(お地蔵様の御前という意味)
- 「灯明料」
- 「志」(黄白の場合)
地蔵盆のお供えの金額は?町内会費とは別なの?お菓子も必要?
地蔵盆では、お地蔵様にお供えをします。
時季になると、スーパーなどでお菓子を段ボール箱いっぱいに買い求めるお母さんたちの姿を見かけます。
では、誰がどう準備してお供えするのか?
ここからが少しややこしいのですが・・・
基本的には、子どもさんのいるご家庭は地蔵盆の前に子どもの名前でお地蔵様にお供えをします。
子どもがいないところは、大人の名前でお供えをします。
そして、後でお参りに行って、お地蔵様からお供えのお下がりを頂くという仕組みです。
その大枠だけ覚えていてください。
お供えの金額は地域によって違う
地蔵盆のお供えは、家庭一軒あたり3,000円の家庭が多いようです。
(地域によってまちまちなので、詳しい方に聞いてみてください。)
仕組み・慣習も地域・町内ごとに違っていて、現金のお供えが必要なところ、不要なところなど、さまざまなのです。
- 町内会費から全額賄われるところ
- 町内会費からも費用(補助)が出る
- 地蔵盆参加費(1,000~2,000円)を別途徴収される
(定額の場合と「気持ち」の場合がある)
- 町内会はまったく無関係
- 地蔵盆の参加費を「お供え」として持参する
という感じでしょうか。
町内会ではなく、子ども会が主催するところもあります。
引っ越したばかり、子どもが生まれたばかりなどで事情がわからないときは、近所の人や町内会のまとめ役の方に聞いてみるのが一番よいでしょう。
お供えが必要かどうかも地域によって違う
現金のお供えが必要かどうかが地域によってさまざまなのと同じで、お菓子や果物などのお供えが必要かどうかも地域によるんです。
お供えをする場合は、
- いくらぐらいにすべきなのか?
- 何を準備すればよいのか?
悩みますね。
これもやはり地域の役員さんに聞かれるのが一番です。
ご家庭からお供え物をする場合の参考に、いくつか例を挙げてみますね。
集まった子ども全員にお供え物を配るので、単価は安くても、とにかく「数」の取れるものをお供えするのがよいでしょう。
下記のように、安価なお菓子を箱ごと買うと分けやすいですね。
- 小袋のポテトチップス
- プロ野球チップス
- うまい棒
- 寒天ゼリー
- バームクーヘン(個包装)
- かりんとう
- 梅の香巻
- もなか
これをバラしてビニール袋に1人分ずつ組んで、集まった子どもに配るスタイルが多いです。
まとめ
「地蔵盆」は、お子さんの多い地域ではなかなかに盛り上がる、楽しい夏の風物詩です。
よそからいらした方は、お金がどうとか、物がどうとか・・・ちょっとややこしいな・・・と感じるかもしれません。
でも実は、よそ者だろうと、年齢がどうであろうと、観光客だろうと、誰でも気軽にお参りできる、かなりユルい、そして地域の人の温もりを感じられるイベントなんですよ。
私の実家の近所でも開催(?)されています。
仕事帰り、地蔵盆の準備が済んだころに通りかかると、「姉ちゃんもこれ持っていきなさい。」と、いつもお菓子を渡してくださいました。成人してるのに。お供えもしていないのに。笑
子どもさんがいてもいなくても、町内が違っても、「あれ? 地蔵盆かな?」と思ったら、あなたもちょっと立ち寄ってみてください。きっと温かく迎えてもらえますよ。